
昨日から、飯山先生たちが次の現場に行き、ここに来ていた人も引き揚げて行った。
先生もいないし、慌ててやることもないわけで、この工場にいるのはたった3人。
上のおにいちゃんたちと、おいらだけである。
来客も、公衆便所の件でたまに村のボスがやって来るくらいだ。
ところで、ここの関係者には陳さん(Chenさん)が多い。
何度も書いている陳明仁さんもそうなのだが、このおにいちゃんふたりも実は陳さんなのだ。
彼らをなんと呼んでいいやら、いまだにおいらはよくわからない(笑)。
で、彼らとのコミュニケーションには、もちろん中国語を使うしかないわけだ。
前に深センに住んでいたときは、仕事の関係者はたいてい英語が通じたし、場合によっては日本語もいけたが、ここではそうはいかない。
まあ、かえってそのほうがいいね。
彼らと話しているうちに、ちょっとずつではあるが話がわかるようになってきたし、こっちも片言ではあるが中国語が口から飛び出るようになった。
村のボスともほんのちょっと話せるようになったしな。
ただ、上のふたりにしても、左のおにいちゃんはなまりがすごくて、なにを言ってるのかまるでわからないときがある(笑)。
中国というのは、方言というよりもまるで違う言語の集合体みたいなもんで、中国人同士でも話が通じたり通じなかったりすることがあるわけだ。
その彼らは非常に親切である。
中国語を話せないおいらが苦労しているだろうと思い、飯であっても買い物であっても、彼らはいろいろと世話を焼いてくれる。
昨日、一緒に食事に行ったとき「ちょっと買い物してくるよ」と言ったら、いつの間にかついてきて、じっとおいらが買い物する様子を見ていてくれた。
なんでも、ぼったくられないように監視していてくれたようである。
そこまで過保護にしなくても大丈夫、とは思うわけだが、親切でやってくれてることだからね。
ただ、このおにいちゃんたちは、工場の門番の仕事があるので、ふたり一緒に外出するわけにいかない。
昨日の夜も、一緒に飯に行ったのはひとりだけだった。
もうひとりは持ち帰りの弁当である。
そこで、おいらは「明日は弁当を3つ買って、一緒に食おうぜ」と片言を交えて言ったのだ。
なんとか意味は通じたと思う。
ところが、今日の朝になってみたら、いつも買ってきてくれる朝食に、昨日見た弁当のようなパッケージが…。
そういうことじゃないんだけど!(笑)
いやあ、毎日が面白いや、ここは。
なんとか先生が不在の間にある程度話が通じるようになりたいもんだけどね。