再び、経済関係の話。
経済論なんてどうでもいいのだけど、世界の動きを見るには経済を見なくてはならないのもまた事実だからね。
今日は日本のマーケットは休みだったが、もちろん世界は動いている。
アジアはやや持ち直し気味、ヨーロッパはどれも下落傾向という感じだろうか。
でもって、米ドル円の相場も若干円安に触れている感じである。
そのなかで例外だったのが香港相場だ。
なんと700ポイントを超える大幅下落である。
同じ中国の上海はどうだったかといえば、わずかに値を戻した感じだ。
これをどう読めばいいのか、そこが焦点である。
結論を言えば、いまの中国情勢を克明に表わしているのは香港市場のほうだ。
前にも書いたが、上海の相場は中国人投資家の性格的傾向によってなかなか下がらない。
また、市場自体が持っている、世界的には非常識なルールが背景にある。
中国には、上海、深センの2カ所に株式市場がある。
そして、それぞれにA株とB株という分類が存在する。
日本で言うところの一部上場と二部上場のように思われているが、実はまったく違う。
簡単に言えば、A株は中国人と中国法人のみが参加できるマーケットなのだ。
これらに投資したければ、中国系の投資ファンドを利用するしかないし、基本的に1年以上の長期保有が原則になっている。
実質的に、外国人が影響を与えることができない市場なのである…少なくとも表向きは。
現実として、A株市場にも多くの外国人投資家の金が投資ファンド経由で流入している。
それが顕著になったのは2006年初頭からだ。
これは、中国の株式市場がハイパーバブルに突入した時期とほとんど同じである。
そして、2年弱に渡って、恐ろしい規模の資金が流入し、パンパンに膨れ上がった。
これがいま、とてつもない勢いで流出している。
さらには中国人投資家たちの狼狽売りを呼び、気づけば3分の1以上の下落となったわけだ。
だが、ご存知の通り、政府は株価下落を容認するわけにはいかなかった。
そのために、恐ろしい額の公的資金が市場に流れ込み、マネーサプライの上昇とともにインフレが加速している。
おそらくは、政府系投資ファンドにもかなりの金額が投入されているのだろう。
それらの数字を合わせれば、天文学的な数字になるかもしれない。
裏でなにが起こっていたかといえば、外国人投資家が中国人投資家たちを煽り、投資資金を流入させ、儲けたところで引いているのだ。
言ってみれば、中国人からの富の収奪である。
さらにいえば、多くの中国人投資家たちは、信用取引で株式購入を行っている。
この勢いで株価が下落すれば、供託金不足で破綻する層も出てくるだろう。
いや、すでに結構な人数が被害に遭っているようだ。
そうして、いまのチベット騒乱に至る。
上海市場はそれでも下落は最小限度に収まっているが、香港は大幅下落となっている。
香港には、大陸向けに投資を行っている会社も数多くあり、実のところ、いま売られている中心にあるのはそれらの企業の株だ。
香港は、大陸のような市場介入などしない。
これが世界がいまの中国に対して見ている姿なのかもしれない。
これが一時的なことであればいいのだが、この傾向を見る限り、中国内の騒乱はさらに厳しさを増す可能性が高い。
逆に中国の崩壊を煽るだけ煽ってから安定化させ、下落した株式を買いたたきに入る可能性もある。
どっちに転ぶのかわからないが、いまの中国が壮大なマネーゲームの舞台に利用されている雰囲気は多いにある。
おいらとしては、人権的観点で考えるに、とにかく中国共産党政府にくさびを打つ必要があると思う。
それをうまくやれば、チベット人も中国人も、また、周辺各国も痛い思いをしなくて済むからだ。
いま、中国共産党に強く出られる国がひとつだけある。
アメリカは米国債のカードを握られていてなかなか難しい(ただ、実際にそれを実行すれば、中国にもダメージが大きいので、ただの恫喝であるが)。
EU各国は、武器の輸出先として中国をマーケットとして考えていて、なかなか考えがまとまらない状況だ。
インド、ロシアは、すねに傷があるもので、表立って中国を非難できない。
じゃあ、どこの国がそうなのかといえば、実は我が国、日本なのである。
非常に簡単なことだ。
まず、この件の弾圧を天安門事件になぞらえて非難する。
その上で、国際社会による査察受け入れを要求し、それができないのであれば、胡錦濤主席の訪日を無期限延期すればいい。
これで困るのは中国側だけである。
彼がなにゆえに日本に来るかと言えば、東シナ海油田のことも当然あるが、一番の課題は日中での環境に関する取り組みの合意である(ちなみに、最近、東シナ海油田に関して、日本に圧倒的に不利な裏合意があるという噂も出ている。詳細は不明なのでこれから調べてみるつもり)。
実のところ、中南海は環境問題、水問題で、日本にすり寄ってきているところなのだ。
胡錦濤は、温家宝と同様に、在日朝鮮人二世カルト教団代表の成太作こと、創価学会池田大作名誉会長との面会を求めているそうだ(日本で会いたい民間人3人のうちのひとりとか…あとのふたりは誰?)。
その公明党は、このチベット大虐殺が起こっているこのときに、胡錦濤が訪日の前に日中環境問題についての骨子を決めるべきと政府に要求している。
裏でどんな話が進行中なのか、非常にわかりやすい。
このことをきちんと日本が主張すれば、中国は表向き偉そうなことを言いながらも、結局は対応せざるをえなくなる。
虐殺はこれで止めることができる。
これ以上の騒乱の拡大も抑えることができる。
で、中途半端なごまかしをしようとしたなら、何度でも訪日を延期してやればいいだけのことだ。
日本国民にはまったく知らされていないが、日本は中国に対して圧倒的優位に立っている。
これくらいのことをしなくてどうするのだろうと本当に思うのだけど。
その点で考えると、いまの日銀人事の件は非常にいい感じだ。
このまま、G7に出席できないようにしてしまうのがいいだろう。
もしも日銀総裁が決まれば、確実に日欧協調、もしくは日本単独によるドル買い介入圧力が強まるはずだ。
日本は国益のためにもさらなる円高容認に動くべきなのである。
昨日、珍しく日経新聞系のテレビ東京がまともなニュースをやっていたが(個人的に、あれは日本の富を奪うためのプロパガンダ新聞だと思っている)、米ドル建てに限れば、日本は輸入よりも輸出が少ない状態にあるのだ。
そして、その差は次第に開きつつある。
つまり、一部輸出企業にしかメリットがない円安政策を、それが国益とばかりに進めていたのが日本なのである。
円建てでやれ、円建てで!(笑)
また、中国の動きも警戒すべきだ。
もし、日欧がドル買いに走れば、確実にあの国は米ドル売り、円・ユーロ買いを仕掛けてくると思われる。
紙くずになる予定の米ドルに価値がある最後のチャンスなのだから。
日本はどうせ売りようがないので諦めるよりないだろうが、これ以上残高を増やさないように努力すべきと思う。
それがわかっているだけに、欧州系のニュースでは、日銀総裁不在というニュースが軽く流れるだけ。
さんざん批判しているのは日米中のメディアなのだ(本当に日本のマスコミ使えねえなあ…)。
いずれにしても、米ドル崩壊のタイミングは、ドルペッグを採用している中東の国や香港、相場管理で実質的ペッグを施している中国がそれらを諦めて外したときにやってくる。
それまで、日銀はなにもしないのが国益である。
非常に矛盾しているが、これが日本の実情なのだ。
そうなったとき、とくに中国は悲惨なことになるだろう。
日本は過去のODAでの失敗を受けて、きちんと中国に恩を売る形で協力すればいい。
それこそが、東アジアのためだ。
もっとも、そのときは日本も大変なことになっているかもしれないが。