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やっぱり中国ってことで、食い物の話についてもしておいたほうがいいんだろうね…

いま、世界中で中国製品の危険性が問題視されている。
極端なアメリカでは「チャイナ・フリー」なんてものまで登場してるしね。
というわけで、実際のところはどうなのかという話でもしてみよう。
その第一弾として、やはり食い物の話は欠かせない。

あたくしは普通に中国で売っているものを買っているし、食っている。
野菜も肉も国内企業のスーパーで買っているし、水や調味料も同様。
もちろん、味噌とか納豆のような日本食品については、日系スーパーで輸入品を買うしかない(値段は日本の倍以上するが、仕方あるまい)。
それで健康被害があるかどうかと言えば、いまのところ日本にいたときと変化はない。

もっとも、おいらの場合、衛生環境のよくない国に行っても腹を壊すことなどほとんどない人間なので、あまり参考にはならないかもしれない。

正直なところ、食い物に関して言えば、中国だけを目の敵にするのは間違っていると思う。
環境汚染が深刻なのは事実だし、危険な水と土壌で作られてる野菜や、なにを食わされているのかわからない豚や牛が多いのも確かだ。
だが、世界的な食品を扱っている企業の人に聞くと、むしろ汚染に関してヤバいのは南米だという意見が大多数である(ちなみに、最近、ブラジル産鶏肉の輸入が増えていたりする…)。

また、残留農薬などの危険について言えば、よほどアメリカのほうがひどい。
狂牛病などの問題も、一部の良心的な業者が全頭検査を実施しようとしても、ろくでもない業者とつながった米国政府の圧力で黙殺されている。
非常に怖い話だが、アメリカの一部地域では、人間版狂牛病としか言いようのない奇病が大量発生しているそうだ(もちろん、日本のマスコミは黙殺)。

さらには、日本からもさまざまな不祥事が飛び出している。
これが氷山の一角であることは間違いないだろう。

つまり、どこの国でも食のリスクは避けることができない状態にある。
とくに日本のように食料自給率の低い国であればなおさらだ。

日本という国は、国家としての戦略に欠けている。
食というものが、国家の基盤を整える大切な戦略ツールだということを誰も理解していないのだ。
この世界は、3つのものによって支配されている。
金、エネルギー、食料だ。
日本はそのどれについても、本気で取り組もうとしていない(かつてそれをやろうとした優秀な政治家がたたき潰されたのも事実だが)。
圧倒的な技術力と品質で工業立国となり、世界を動かすだけのマネーパワーを持ちながら、いいようにアメリカに財布がわりに使われ、エネルギーに関してもオイルメジャーに頼り切り、ついには国内の食料生産まで放り出そうとしているのだ。

これからの時代、まともな食料生産ができる場所はさらに減少するだろう。
こうしてカロリーの取り合いが始まったとき、食品業界は買い手市場から売り手市場へと変貌する。
それを遥か昔から予測していた穀物メジャーなどは、すでにそれらを独占しよう手を打っている。
本来の国家戦略なら、日本も農業の保護と促進に努めなくてはならないはずである。

とくに日本については、これを大事にすべきだった。
日本は、きちんとした商品を正しいやり方で作る職人魂のようなものが根づいている数少ない国のひとつだ(少なくともかつてはそうだった)。
世界は大量生産、コスト削減、最大利益を求める企業ばかりである。
しかし、これから求められるのは、品質や安全といった付加価値(本来なら当たり前のことであったのをこう表現しなくてはならないのは残念だが)であり、日本はその最先端をいけるはずだった。
そういった産業が活性化すれば、食の安全をここまで心配することはなかったのかもしれない。

話は大きくそれたが、それが世界の食の現状である。
決して、段ボール肉まんやら毒入りウナギの話ばかりに気を取られてはいけない。
むしろ、いまの中国に対するバッシングは、ほかの危険食品の話を隠すための手だてのような気がしてならないくらいだ(中国の食品を擁護しているわけではない、それはそれで問題は多い)。
一応、マスコミの裏側にいた人間として肌で感じているが、日本のジャーナリズムはまったく信用できない。
作られた煽動に乗ってはいけない。

ただ、中国が日本よりも安全に気を遣わなければならないのは事実だ。
というわけで、おいらも自衛策はとっている。
実のところ、効果はさほどないと思うが、気休めにはなるからね。

まず、野菜に関しては、できるだけ生で食べないようにしている(トマトとかそういうのは仕方ないけどね)。
調理の前に、水に長時間つけておくのも重要だ。

水に関しては、偽物も多いというので、できる限り安いヤツを買う(偽物は高いヤツに多いのでね…)。
それでも、臭いをかいだり、ひと口つけてヤバいと思ったヤツはすぐに捨てている。
もっとも、捨てたのは月にひとつもないけどね。

まあ、せいぜいその程度だ。
肉や魚に関してはどうにもしようがないしね。

そうそう、水道水の話をしておくのを忘れていた。
言うまでもなく、そのまま飲めるような代物ではない。
湧かせば問題ないかどうかは、次の話を参考に自分の身体で試してもらうよりないだろう。
あたくしは基本的にずぼらなので、そんなに掃除などしていない。
で、最近、洗面所のシンクを見てみたところ、引っ越しからわずか1カ月にしてピンクの水垢がこびりついているのを発見した。
東京都内のボロアパートに住んでいた時代にも水垢はあったが、あちらはどっちかといえばカルキのものだったと思う。
専門知識がないのでなんとも言えないが、察するに鉱毒だとかその類いのものである可能性はあるだろう。
それらのものは、いくら湧かしたところで取り除けるものではないと聞いた覚えがある。
即、健康被害につながることはないだろうが、蓄積していくのは事実だろう。

で、あたくしはと言えば、それを使って麦茶やら中国茶やらコーヒーやらを入れてるし、ごはんも炊いている。
これが吉と出るか凶と出るかは、まあ、しばらく待ってもらうよりないだろう。
現時点では元気そのものだけどね。

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200710290945
2007年のいま、中国に来て「めぞん一刻」にハマるというのはどういうこっちゃいな…

言葉も習慣も違う国に暮らしていると、エンタテイメントに飢えてしまうもの。
香港であれば、不良白人だらけのアイリッシュバーにでも言って、英語の勉強がてら話相手を探すのだけど、中国の本土側にはあまりそういう店はない。
べつにカッコつけてるわけでなくて、単純においらには飲酒くらいしか趣味がないだけだ。

じゃあ、部屋でテレビでも見るかってことになるわけだ。
たいていの番組には中文字幕が入ってるから、中国語がわからなくとも、日本人ならある程度は理解できる。
ただ、率直にいえば、あまり面白くない。
日本でやってる番組のパクリを見つけてニヤリとするときもあるが、せいぜいその程度だ。
もっともあたくしの場合、日本にいたときもプロ野球とCSの映画、市川寛子アナの天気予報くらいしか見てなかったので、そもそもテレビ自体が性に合わないのかもしれないけどね。

というわけで、おいらはエンタテイメントを求めて街に出たのである。

しかし、中国の遊び場というヤツは、どうも怪しげなものばかりで気に入らない。
バーにしてもディスコにしてもマッサージにしても、お姉ちゃんたちの過剰な接客がウザすぎるし、いわゆる小姐式カラオケ(?)とか、そういうのにも興味はない。
そもそも「本当の商売」はいったいどれなんだと言いたいくらいだ。

加えて言えば、裏だ表だと言いながら「床屋」通いに明け暮れている人が多いのも知っているが、なにが楽しいのかまるでわからない。
どんなに汚い場所でも気にならないおいらだが、実は変なところだけ潔癖なのである。
愛とか恋とか性倫理とかそういうことはどうでもいいが、裸でベタベタするのは、少なくとも気心しれた相手でないと無理だ。

買売春を非難するつもりはないけどね。
人身売買や強要は問題外にしても、それ以外なら自由にやったらいいと思う。
法律でいくら縛ろうとも、これらの商売がなくなることなんてありえない。
悲しい現実だが、それでしか食っていけない人もいるのだし。
一応、断っておくが、これはあくまでおいら個人の考えだ。

だいぶ話がそれたが、中国の夜というのは、あたくしにとってあまりいいものではないということだ。
日本とか香港のような健全なネオン(?)が恋しい毎日である(香港の中心地なら往復1000円程度でいつでも行けるけどね)。

というわけで、部屋に引きこもって楽しめるなにかを探すしかなかったのである。

方法は2種類あった。
ひとつは、日本を離れるときに設置しておいたロケーションフリー。
しかし、先述のように、おいらが見るものなどそれほど多くはない。
おまけに、中国のネットは非常に不安定だ。
ネットの話はまたべつの機会にするとして、ロケーションフリーへの接続もそのときの運次第である。
感覚的には成功率6割くらいだろう。
速度が出なくてガタガタのときもかなりある。
よって、最近はロケーションフリーもほとんど使っておらず、もうひとつの方法であるDVD購入がメインになっている。

深センには、日本でいうところのTSUTAYAとかHMVのようなものがまるで見当たらなかった(とりあえず最初は知らなかったが、後に発見)。
中国人の友達に聞いてみると、その手のものは東門(地下鉄一号線の老街駅)にあるという。
東門は、おいらが見る限り、上野のアメ横と中野ブロードウェイを足して2で割ったのを50倍くらいの規模にしたような街だ。
その一角に、ゲームや携帯の店が集まっているところがあって、ひと言声をかければ商品リストのバインダーを見せて…って、おい、これって全部コピー品ではないか!
しかも、言い値が1枚あたり8元(約130円)って、日本じゃDVD-Rに毛が生えたような値段である。

だが、こちらも出版で飯を食っている人間である。
著作権無視の商品を買うわけにいかんではないか。
欲しいものもあったけれど、そこは自制。
あちこち歩きまわったが、やはり正規品を売っているような場所はなかった。

ところがである。
地下鉄の駅に隣接した地下街に戻ると、ちゃんとしたパッケージの商品を売っている場所があるではないか。
しかも、商品の品揃えがやたらといい。
1枚売りの映画だけでなく、ボックス商品も多数。
中国ものはもちろんのこと、欧米や日本のドラマ、アニメ、映画など、アマゾンをそのまま持ってきたような膨大なラインアップである。

あたくしの目にとまったのは「めぞん一刻」と「北斗の拳」のテレビシリーズ全話収録ボックスだった(なんだそのギャップは…)。
もちろん見つけたその瞬間に購入決定である。

問題は、それがいくらなのかってことだった。
中国にありがちな話で、値札などどこにもついていない。
それぞれDVD26枚組と24枚組、そしてきちんとしたパッケージ商品、決して安かろうはずがない。
日本なら確実に数万円コースだし、中国プライスと考えてもその3分の1はするだろう…あたくしはそう考え、慌ててATMに行き2000元(約32000円)を引っ張り出してきた。

まさに唖然。
その価格、めぞん一刻が156元、北斗の拳が144元、しめて300元(約4800円)であった。
そのとき、おいらの思案はすべて飛んでいた。
これはとばかりに、面白そうなものを全部まとめて買いあさり、気づけば1500元もDVD購入にあてていたのだ(深センの最低月収の倍程度と考えると恐ろしい金額である)。
のちに、近所でリージョンフリーのプレーヤーを購入したこともあって、気づけば引き出した金のほとんどすべてを使い尽くしていたのであった。

で、代金を支払い、バックパックに山のようなDVDを詰め込んだその瞬間、おいらはとたんに冷静になった。
いくらなんでも安すぎやしないかと…。
そもそも、これだけ多くのラインアップがありながら、値札も見ずにどうして値段がわかるのだろうか?
最後に、その疑問を店員にぶつけてみた。
その答えは、あたくしの想像を遥かに超越したものだったのである。
「全商品、1枚6元だよ」

なんとも恐ろしいことに、バインダーの商品リストで販売しているDVDよりもパッケージで売っている商品のほうが安いというのである。
コピー品より正規品が安い…いや、まさかそんなことがあるはずない!!
もしかして、おいらは海賊版を買ってしまったのでは?
「もちろんすべて正規版だから安心してよ」

まさか、そんな中国人商人の言葉が本当であるはずがなく…部屋に帰ってからなかを見てみると、ディスクはリージョンフリー、まぎれもない海賊版である。
ああ、中国よ、俺の最後の意地まで踏みにじるか…。

しかしながら、コピー天国・中国の真髄を見たような気分であった。
箱はきちんとした化粧箱で、マグネットでフタがとまるようになっている上等なもの。
ディスクはDVD-Rなどではなく、きちんとプレスされたヤツだ。

で、どうしたかと言えば、暇だった2日間を使い、めぞん一刻をぶっ続けで見てしまったという、我ながら情けないオチだ。
完璧にドハマリである。
これは、日本に戻ってから正規版買って償うよりないだろう。

あたくしという人間は、かつてアホなくらい恋多き男だった。
しかも、そのすべての相手が年上(一番歳が近かった相手はわずか2時間しか差がなかったけど(笑))であり、思えばガキだったおいらがひどいことしてたなあという反省もあって、めぞん一刻の世界は本当に心にグサグサと突き刺さるのである。
マンガとテレビで見ていたあの時代にはなかった感情が吹き出してとまらなくなったというわけだ。

そんなおいらも、考えてみればここ4、5年、まったく恋らしき恋をしていない。
海外逃亡中に同棲していたタイ人の女の子とか、金がなくて転がり込ませてもらったラオスのゲストハウスの女主人とか、身体も含めていい関係になってたこともあったけど、思えば逃げ場所確保としか思っていなかった気がする(それはそれでひどいヤツだという自覚はある)。

それ以上に、本気になるのが怖かったというのもたぶんある。
逃亡中に助けてくれた女性に対し溺れるのを恐れ、さらに逃げるとは間抜けもいいところだが。
でも、かつてのように、頭のなかがその相手のことだけでいっぱいになるような状態をもう一度味わってみたいという気持ちはあるのだ。

しかし、心が痛い。
見れば見るほど心にいろんなものが突き刺さりまくりである。
33歳、海外企業家を語る海外逃亡者、恋の情熱求め世迷い言をつぶやく日々…いまだ「不惑」は遠い。

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200710272036
香港の出版事情を見る限り、まだまだやれる余地は山ほどあるなあと思った次第…

こっちに来て、どんな仕事をしているの? と、聞かれても、実のところ細かく答えることはできない。
国際的な出版業というところまでは話せるが、それ以上は企業(おいらひとりしかいないが)秘密である。

それじゃ実も蓋もありゃしないので、とりあえず、エンタテイメント路線だということだけ言っておこう。
最初に刊行できるのは早くて年の瀬、普通に年明けになると思う。
ちなみに、発刊地域は香港と台湾を予定している。
つまり、金になるのもおそらくは来年の3月以降ってことになるね。
それまで、なにがなんでも生き抜かなくてはならない。
こっちは生活費安いからどうにでもなるけどね。

さて、せっかくだから、今回はこっちの出版事情についてちらほら紹介しよう。
香港、台湾、マカオを含めた中国というか、いわゆる中華圏の人々は、日本人同様に結構本好きである。
日本ほどではないけど、書店は普通にある。
普段、日本人から見ればものすごくやかましい人たちだけど、本屋ではやたらと静かだ。
ものすごく真剣に買う本を吟味している。

日本と大きく違う点は4つ。
まず、日本のような固定価格ではないこと。
一応、本には標準価格というか希望価格のようなものが印字されているが、その通りの価格で売っているとは限らない。
香港の本屋では、本に「8折」みたいなシールが貼られていることが多い。
最初はおいらも勘違いしたが、これは8割引ではなく、2割引の意味だ。
中国語では8折でも、英語で20%OFFと併記してあったりするのでややこしい。
話はそれるが、香港の本の値段は結構高い(本土側は安い)。
日本で800円くらいで売ってそうな小説本でも、普通に1000円以上する。
しかも、文字がでかくてスカスカなやつが多く、実質的には500円くらいではと思ってしまうのだ。

次に、基本的に本にはカバーがないということ。
そのくせ、裏表の表紙が折り返されているスタイルが多い。
そのタイプはフランスに多いらしいが、表紙がしおり代わりに使えるのが便利ではある。

また、一般的な本屋には基本的にマンガは置いていない。
日本では圧倒的な主力商品だし、こっちでもマンガの人気はすごいのだが(とくに日本発のもの)完全に本屋からは分けられているのだ。
ちなみに、こっちでマンガ本を手に入れるには、後述の新聞スタンドで見つけるか、マンガの専門店に行く必要がある。

で、これが最大の違いだ。
書籍と雑誌が完全に別物だということだ。
一般的な本屋にも雑誌のコーナーはあるが、日本のそれに比べればほんのわずかであるし、まったく系統化されていない。
雑誌は雑誌でしかないという扱いだ。
また、雑誌の多くは書店ではなく、新聞スタンドやコンビニへ流通している。
新聞スタンドというのは、日本で言うところのキオスクを、怪しい屋台でやっているようなものだ。

こっちの雑誌は、一般的な書籍の価格からは考えられない安さだ(海外ものを除く)。
香港では、1冊10~20香港ドル(約150~300円)のものがほとんどである。
たまに35香港ドル(約530円)なんて値札のものも見るが、ほとんど売れている様子のないものばかりだ。
そのくらい、こっちでの雑誌の扱いは低い。
でもって、内容も薄っぺらくてひどいのが多い。
やけにオマケだけ充実していて、雑誌の体をなしていないのもある。

また、雑誌の系統化ができていないこともあって、新聞スタンドの陳列も適当なのが多い。
マンガ本の脇にエロ本が並び、ビジネス誌の横にはホモ雑誌(?)があるような実にいいかげんなところが多数ある。
そんな場所に、一緒にマンガの単行本が並んでいたりするのもなかなか不思議な光景だ。

このように、雑誌で儲けることは、いろいろと難しい。
価格面にしても、流通面にしても、クリアすべきことが多数ある。

しかし、これは逆にチャンスだと思うのだ。
理由と手法はここでは話せないが、中華圏での出版はまだ日本以上にチャンスが残されているとおいらは思っている。
ギャンブルみたいなもんといえば、それまでだが。

あたくしの壮大な(?)賭けがうまくいくかどうかは、もう数カ月待っていただければと。
少しずつ、状況報告をしたいと思っておりやす。

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200710110555
中国生活に銀行口座が必要なのか、という話でもしようかね…

いろいろと手続きにうるさいこの国なのだけれど、実は、銀行口座を作るのはめちゃくちゃ簡単だ。
香港みたいに紹介してもらう必要もないし、口座維持手数料を気にすることもない。
パスポートと小銭を持って銀行に行けば、あっさり口座開設ができてしまうのだ。
とくに損はないので、作ってしまうのがおすすめだね。

で、本題。
銀行口座は本当に必要なのかという話。
こればかりは、ライフスタイルとどこに資産を置いているかによるとしか言いようがない。
おいらの場合、日本に3割、香港に7割というところで、いまのところ中国にはほとんど金を持ち込んでない。
たまに必要なときにインターナショナル・キャッシュカードで引き出している程度だ。

もっとも、いまは人民元のレートがじわじわ上がっているので、まとめてこっちに持ってきたほうが得なのかもしれない。
だけど、そこまでいまの中国経済を信用しきれないおいらがいるってことだ。
それに、外貨の持ち出し規制も厳しいし、口座の凍結なんて話もあるし、リスクを考えると尻込みするってのもあるね。
まあ、あたくしの場合、中国で大金を扱うことはほとんどなくて、せいぜい月に4000~5000元程度の見込みだ(生活費の話はまた改めて)。
たとえレートが1円上がっても、月に4000円程度の違い。
保険料と考えれば決して高くはない(これは価値観の問題だろうけどね)。

というわけで、あたくしが中国の銀行口座を使っているのは、実はインターネット使用料の引き落としだけだ。
それも、年間一括払いだったので、当分は用なしである。
家賃の振り込みなら、べつに口座なくてもできるしね。

そうそう、一応、ある特殊事案だけは話しておかないといけない。
それは、アパートの管理費や光熱費の支払いについてだ。
家賃に関しては大家の口座への振り込みだが、これらについては口座からの自動引き落としになっている。
ただ、いちいち名義変更やら手続きやらが面倒だということで、管理費専用の大家の通帳が渡されるのである。
これに、必要なぶんだけちょこちょこ入金しておけばいいわけだ。
この方法が一般的なのかどうかはわからないが、不動産屋の姉ちゃんがさも当たり前のように通帳を渡してくれたところをみると、少なくとも俺のところだけの話ではないと思う。

そんなわけで、あたくしにとって中国の銀行口座はあまり用がない。
おまけに、使い勝手も正直言ってよくないのだ。
おいらの口座は中国銀行なのだけれど、ホームページは中国語しかないし、どういうわけかインターネット・バンキングが正常に登録できないし、振り込みには窓口に長時間並ばなきゃいかんし、自動入金機は何度も札を入れ直さないと入らなかったりするしで、さんざんな状態だ。
中国工商銀行や交通銀行のほうが便利という話もあるが未確認。
かといって、とくに銀行口座を必要としていないので、あたくしとしてはしばらくこのままでいいかなあという感じだ。

一応、口座の開設方法を説明しておこう。
とにかく、近所の好きな銀行に行き、口座開設書類に記入する(適当においてあるし、書き方の見本もあるから、おそらく日本人ならなんとなくわかるはず)。
次に、窓口に並び(番号札方式がほとんど)書類と一緒にパスポートを出す。
なにやら金を寄越せというゼスチャーを感じたら適当に50元くらい渡す。
サインしろとか、暗証番号を入れるように促されたらその通りにする。
あとは待っているだけだ。

なお、銀行の取引においては、暗証番号方式とサイン方式の2種類がある(口座開設書類に選択肢あり)。
暗証番号方式は、窓口前に設置された機械に取引用暗証番号を打ち込むことで手続きが承認されるものだ。
口座開設時に番号を入力するように求められる。
中国の暗証番号は6桁なので、その点も注意。

ちなみに、キャッシュカードを作るには発行手数料として15元くらい取られる。
中国銀行の場合、口座開設書類の「借記上下」(正確には上と下がくっついた字)にチェックを入れればその場でくれる。
別途、初期暗唱番号の入った封筒をくれるので、ATMでできるだけ早く変更しよう(窓口の取引暗証番号とはべつなので注意。これも6桁)。

また、口座の種類には人民元口座のほか、一本通と呼ばれる外貨口座が一緒になっているものも選択できる。
基本的に一本通を選択するのがいいだろう、使うかどうかはべつにして。

銀行に限らず、ほとんどの人は中国語しか話せないが、意外とどうにかなるものだ。
検討を祈る!(なんの?)

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200710092019
部屋の契約がこれほどいいかげんというのも、俺としては親近感を感じたということで…

中国でアパートを借りるときには、日本の感覚で考えてはいけない。
そりゃ、郷に入れば郷に従えって言葉があるくらいだから当たり前のことだけど、すべてがカジュアルでスピーディなので、正直なところおいらは面食らった。

というわけで、今回はこのブログ初の実用ネタということで、深センのアパート契約事情を語ってしまおう。
そんなの知ってる! と、言われそうだけど、超初心者バージョンとしてくどいくらいに説明しやす。
ただし、同じ中国でもほかの都市で同じルールが通じるわけではないので、その点はご容赦。

●アパート契約に絶対必要なもの
 パスポート:まあ、身分証代わりなわけで、当たり前だよね。
 現金:   保証金(1~2カ月分)、前家賃(1カ月分)、仲介手数料(半月分)。
       合計で家賃の2.5~3.5カ月分。

結論から言えばこれだけだ。
日本のように、保証人だの、礼金だのという煩わしくて理不尽なものはなにもない。
部屋をちゃっちゃと見て、気に入ったら契約書にサインし、金を払えば鍵と領収書(預かり証)をくれる。
もちろん、その当日から住むことだって可能だ。
日本のアパートとは違い、たいていの家具がそろっているので、実は身ひとつで来てもどうにかなる。
おいらの引っ越し荷物なんざ、スーツケースひとつだった(貧乏ってのもあるけどね)。

ちなみに、深センでは、市が指定している決められた契約書フォーマットがあるので、契約に関してもわりと安心。
逆に言えば、深センにおいてこの書式を使っていない不動産屋はヤバいということである(そんなところがあるかどうかは知らないが)。

さて、契約は以上であるが、まだやらなければならないことがある。
中国においては、居住する外国人は公安に届け出をしなければならないのだ。
ビザの種類によっても手続きが違う。
就労ビザとか家族ビザを持っている人は、おいらよりよほど中国語も話せる人だろうし、会社のバッックアップもあるだろうから、どうぞ自分でやってください。
あたくしが持っているのは、ただの訪問ビザ(Fビザ)ですからねえ。

Fビザ所有者の場合、基本的にはホテルに宿泊するのが前提になっているそうだ。
つまり、これで中国に住もうとするやつは、中国の法律的にはアウトローってことなる。
もっとも、深センの場合、香港で働きながら住んでいる人間が多いため、結構なFビザ居留者がいるという話だ。
この場合、法律の取り決めでは「居住を始めて24時間以内に管轄の派出所に臨時宿泊届を提出しなくてはならない」ということになっている。

しかし…である。
法律は法律、人は人なのがここ中国。
一応、きちんとしておこうと思い、怪しい中国語をノートに書き写して派出所へ向かったあたくしに大きな試練が待っていた。
いつものように「アー!」を連発されながら必死に説明したのに、お巡りさんの態度は非常にそっけない。
で、おいらのノートに殴り書きされたとどめのひと言。
「なんだそれは?」
結局、それから3週間が経つが、おいらはいまだに届けを出して(出させてもらって)いない。

後日、その件を例の不動産屋小姐に尋ねたあたくし。
でも、どうやらさまざまな事情を聞いていると、届けが受理されなくてよかったようなのである。
深センの不動産賃貸には、さまざまな税金が課せられることになっており、合計するとその税率は10.xx%(小数点以下は忘れた)になるそうだ。
本来、大家が払うべきその税金なのだが、基本的にここの人たちは税金を払うという考えがない。
賃貸所と呼ばれる賃貸契約書の登録所に届けずに節税(脱税だろ!)しているのが一般的なのだそうだ(さもなきゃ、借り手に払わせるだけ)。

これが登録されない状態で、臨時宿泊届だけ受理されると、後々面倒なことになる可能性がある。
それだったら、いっそのこと登録なんかしないほうがいいという理屈だ。
日本人の知り合いにも聞いたが、そんな届けを出しているやつになんか会ったことないと言われた。
とにかく、適当なのだ。

ただ、一応は違法なので、トラブルは自己責任とも言われたけどね(これを読んでいるみなさまにも重ねて申し上げときます。自己責任にて)。

なお、こちらに住みたい、もしくは住む予定があるという方、いつでも日本語話せる不動産屋嬢紹介するんで、必要なら言ってくださいまし。

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200710091926
なんで中国に住むの? って言われても困るけど、まあいろいろとあったわけで…の続きらしい…のさらに続き?

長ったらしいなあと思ったらごめんなさい。
いやいや、おいら自身もそう思ってるんで、お気遣いなく。
しかし、人に読ませる文章書いて生きているくせに、ブログ向け文章が書けないってのもいかがなものか。

仕事の話は置いておいて、次なるアパートに向かうことにした、あたくしと不動産小姐。
歩きすぎて(おまけに運動不足で)しんどいなあと思ったので、アパート前にたむろす白タクに乗ることを決断したのである。

そうそう、このへんの話もしておくべきかもしれない。
周囲を壁でかこってあるようなアパートの場合、その周囲にはいろんな人間がいるんだよね。
謎の廃品回収業のリアカーオヤジ、海賊版DVDを駅弁スタイルで売ってる兄ちゃん、突如現われる服屋の屋台、でもって、とくになにをするでもなく座り込んでる連中…共通点は決して門をくぐることができない人間たちってことだ。
そこには強烈なまでの格差がある。
すごい嫌な言い方だけど、どっち側の人間なのかはひと目見ただけでわかってしまう。

それって危険じゃないかと思う人もいるだろう。
深センは中国でも一、二を争う発展都市で、地方から多くの人間が流入し、治安状態は決してよくないとされている。
事件の話もけっこう耳に入るし、それは事実だろう。
いまのところ、おいらは恐ろしい目に遭ったことはないので未知数だけど、アパート選びは常に人が多い場所を選ぶのが得策かもしれない。
実のところ、いいかげんなあたくしはまったくそんなことなど考えていなかったのだけど、いま住んでいる場所は常に人通りのある場所だ。
夜中はさすがに怖いけどね、それはまたの機会に。

さて、白タクに支払いしようと思った10元札が偽札だってことに気づいてショックだったことは置いておいて、おいらたちは次の場所へと到着したのである。
さっきのところに比べればかわいいものだが、塀のなかは庭になっていた。
残念ながら、プールはなかったけど。

そこには、例の突然帰って行ったお姉ちゃんの同僚であるふたりの兄ちゃんが突っ立っていた。
問題はここからだ、待ち合わせている(しかも鍵を持っている)大家がやって来ないのだ!
見事に20分待たされ、やっとやってきたのは、名前は忘れたが日本の某俳優そっくりなハゲオヤジ。
愛想ゼロのうえに無表情かつぶっきらぼう、おまけに無口ときて、まったく借りる気の起こらんやつだった。

それが…これはまさに意外中の意外だった。
この部屋、今回見た部屋のなかでダントツ1番の派手部屋だったのだ。
リビングの壁のひとつは全面鏡張りで、赤いソファに黒のローテーブル。
カーテンは目がチカチカするようなオレンジ系のストライブ。
キッチンまわりはとにかく赤!
ベッドルームに、シャワールームに、キッチンに、とにかくこだわりの間接照明…。
一瞬で引いたのは間違いない。

だが、俺が不動産屋嬢と苦笑いしながら話していたのを気に入ったのと勘違いしたようで、おっちゃん、その後はニッコニコ。
意外と憎めない大家であることを確認しつつ、頭をかきながら退去するあたくしであった。

そのアパートから出るとき、ちょっとした出来事があった。
白人男性と中国女性(たぶん)のカップルがアパートから出てきたのだが、その白人の着ていたTシャツが注目を集めていたのだ。
筋肉ムキムキデザインのやつである。
圧倒的多数の中国人唖然、おいらひとり笑いながら親指でサイン。
あの手のジョークは、まだ多くの中国人には刺激が強すぎたのかもしれない。
「ニーハオ」と言い残し、ふたりは街へと消えて行った。
その瞬間、この場所が気に入ったおいらはやはり変わり者だと思うし、いま思ってみれば、そんなどうでもいいことで好き嫌いを決めるのもあまりにいいかげんであるが。

外はもう真っ暗だった。
とりあえず、次の一件を最後にしようという話になっていた。
だが、結果から言えば、派手部屋のおっさんにやられたという感じだ。
おっさんが遅刻してきたため、次の大家がしびれを切らして帰ってしまったのだ。
「じゃあ、また明日だね~」と、のんきに言う彼女。
中国人って、実は忍耐強いのかしら?
おいらは完全に根気負けモードだった。
「いや、その必要はないよ。あの派手な部屋にしよう!」

協力してくれた3人はもちろん驚いていた。
結局、次の日に契約し、俺はここに住んでいる。
少々、派手なのを除けば、基本的に快適な環境だ。

もっとも契約やらなにやらでもいろいろあった。
その話はまたべつの機会にするとして、本当に疲れ果てた部屋探しだった。
中国人の意外な親切さもわかったし、いい経験だったと個人的には思っているけどね。

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200710090711
なんで中国に住むの? って言われても困るけど、まあいろいろとあったわけで…の続きらしい…

福田区というのが深センの中心地だってことは、おいらも知っていた。
だけど、とくに用事もなかったし、興味もなかったのである。
なんて適当な…と、言われるかもしれないが、まさにその通り。
あたくし、本当に適当なんだよね、こういうことに関しては。

さらに適当なことに、おいらはこの街に住み始めたその日まで、最寄駅の名前すら勘違いしていた。
不動産屋小姐の中国なまり日本語を真に受けて「動物公園」と思い込んでいた。
正解は「購物公園」だったのだけど、中国の簡体字はわかりにくいからねえ。
どこに動物公園あるの? って聞かないところもいいかげんだよな。

この街はいろんな意味で驚いた。
駅を出たら、そこは日本だった…ってことはないが、日本とまったく変わらない雰囲気が漂っていたのだ。
「COCO PARK」なるショッピングモールは、お台場の一角にあるそれをそのまま持ってきたような感じ。
ジャスコも入ってるし、和民もある。
なんだか拍子抜けである。

外に出たらさらに驚いた。
道も空も信じられないような広さだ。
駅前にはいかにも高そうなマンションがそびえ立ってるし、ちょっと歩いているうちに高級そうなスポーツクラブも発見。
なんともスケールのでかいこと。

その後、いきなり不安になったのは言うまでもない。
とにかく、羅湖区よりも高級感が漂っているのだ。
ジャスコなんてあるくらいだから、日本人も多いに違いないし、となれば家賃が心配だ。
まさか彼女が予算を忘れちゃいないとは思うが、なんせ、直前に急な心変わりをしたくらいである。
心配しないほうがおかしいだろう?

聞こうと思ったその瞬間、目の前からべつの女の子登場。
どうやら同業のお仲間らしい。
さっき電話していたのはこの娘だったのね。
ちょっとかわいい娘だったが(あんまり肌はきれいじゃなかったけどね)もちろん、おいらは「ニーハオ」しか声をかけられないのであった(中国語勉強しよ、マジで…)。

で、直後においらの不安は最高潮に達したのである。
ついたその場所は、日本だったらいくらするんじゃい! と、叫びたくなるような高級感に包まれていたのである。
周囲をぐるりと高い塀が囲み、大きな門の前には数人の警備員(警備の人はたいていどこにでもいるけどね)。
そのなかに見えたのは大きな中庭…というよりも公園とも言うべきものだったのだ。
いかにもセレブな人たちが、小型犬を連れて優雅に散歩中…。
お子様たちが浮き輪を持って…あれ? 庭にプールが!!

不動産屋のふたりの中国語の罵りあい(ではないんだろうけど)に入り込めずに黙ってついて行くと、さらに恐るべき事実が待っていたのである。
部屋はでかかった…そう、あまりにもでかすぎたのだ。
なんたって、4LDKですぜ!
ひと部屋は大家の荷物置き場として封印されるらしいが、それにしたって!
ああ…頼むよ、中国人。
お願いだから、こっちの条件を忘れないでくれっ!

「ここ広くていいでしょ? 3000元だって!」
今度はべつの意味でビビる番だった。
さっきまで見た部屋の倍以上の広さなのに、家賃はこっちのほうが安いのだ。
しかも、聞いてみると管理費も安い(羅湖区だと200元以上が当たり前なのに、ここは130元)。

たぶん、昼の時点の俺なら即決していただろう。
彼女からのダメ出しもまったくなかったし。
でも、広すぎるのだ。
あたくしの心のなかが葛藤という文字で埋め尽くされたのは言うまでもない。
こんな広い部屋にひとりで住むなんてあまりにもつらい。
現地妻でも作るか?(って、独身だけど)なんて余計な妄想までする始末。

とりあえず、ほかのところも見ることにして、俺たちは退去した。

そこで、またもや事件が。
急に、ふたりが罵りあいを始めたのだ。
またか、と思ったが、どうやら今度は本当の喧嘩のようである。
外の門をくぐると、後から合流した娘は「バイバイ!」と手を振ってどこかへ行ってしまったのだ。
「なんなのよ!」という感じで、舌打ちする彼女。
よくわからんが、またもや中国人の気まぐれってやつですかい?

「あの娘ね、携帯のチャージ(プリペイド)がなくなったから帰るって!」
またもや唖然のあたくし。
本当に異文化ってのは難しいものですな。

太陽がそろそろ地平線に向かってすべり落ちて行く時間だったが、部屋探しはまだまだ続くのであった。
(まだ続く…のか?)

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200710090545
なんで中国に住むの? って言われても困るけど、まあいろいろとあったわけで…

いま、とにかく日中関係は複雑。
日本じゃ中国嫌いが増えてるし、中国の若者は反日デモやってるしでぐっちゃぐちゃ(まあ、実際には日本人が考えるほどではないけど)。
どうしてこんな国に住むの? と、何度聞かれたことか。

もちろん、あたくしも積極的ではなかった。
金があるなら(香港の投資ビザの要件満たすくらい)迷うことなく香港に住んでる。
一応、同じ国ってことになってるけど、イミグレーションまたいだら別世界だからね。
要するに、選択肢がそれしかなかったってこと。

いま住んでるアパートは深センの特区内で、家賃2700元(本日現在、43000円くらい)、1LDK。
中国ではべらぼうな値段らしいが、香港なら軽くその倍はいく。
ある香港在住ネパール人のあんちゃんに聞いたところ、彼のアパートは5500香港ドル(84000円くらい)だそうだ。
貧乏なおいらは、東京でもそんな高い家賃払ったことない。
とてもじゃないけど、選択肢にもならなかったってわけだ。
だいたい、香港じゃ、生活費だって東京並みにかかるからね。

まあ、金の話は置いておいて、こっちに来ている日本人には裕福な人が多い。
正確に言えば、贅沢な部屋を借りてくれる会社がバックにいるわけだけど、聞いたら本当にびっくりする。
住宅手当が1万元、2万元当たり前なのだそうだ。
おいらなんぞ、こっちで部屋探しを手伝ってくれた中国人たちにバカにされまくり。
「日本人なのに!」
この台詞、何度聞いたことか…。
日本人にもいろいろいるのよ、中国人と同じでね…。

さて、ちょくちょくこっちに来ていたおいらは、そのときに知り合った某外資系不動産屋に勤める中国人の女の子に部屋探しを依頼したのだ。
彼女は日本に来たことないのに日本語ぺらぺらで、まったく中国語を話せないおいらは、いまだにいろいろと便利に使わせてもらっている(おいおい)。

最初、中国人ってのはもっといいかげんな人かと思っていた。
いくつか候補を出して「さあ、これで決めちゃいな、なによ、まだ不満があるの!」という展開を予想していたのである。
基本的にあたくしはまったく住むところに頓着がなくって、どこでも住めば都というタイプ。
カラスの行水タイプでバスタブも不要だし、くしゃみが止まらなくなるのでエアコンも不要だ。
虫が料理に入ったってそいつごと食べちゃうし、まったく気にならない。
中国だろうとほかの国だろうと、いままで腹壊したのは一回だけと、とにかく頑丈だ。
というわけで、寝床だけあって、とにかく安けりゃいいし、どこでもいいやといいかげんに考えていたわけ。

だけど、彼女は徹底的にこだわる人だったのである。
最初に住みたい場所を聞かれ、まったく考えてないと言うと彼女の顔色が変わった。
「どこでもいいってことないでしょ!」
そんなこと言われても、だいたい俺はこの街に土地勘すらないのだ。
しょうがないので、香港へのイミグレーションに近い羅湖区近辺を指定。
一応、香港法人の社長らしいので、香港にはちょくちょく行かなくてはならないからだ。
「このへんが一番いいと思う! 私も羅湖区に住んでるから大丈夫!」
これが長い長い部屋探しの幕開けになるとは、おいらはまったく想像していなかった。

羅湖区近辺で見てまわったアパートの数、軽くふた桁。
俺の台詞、たったふたつ。
「これでいいんじゃん?」と「予算オーバー」だけだ。
でもって、ダメ出しするのはもっぱら彼女の役目。
「このテレビ古すぎ!」(テレビ見ないからいいんですけど…)
「なんか部屋暗い!」(引きこもるにはちょうどいいかと…)
「この冷蔵庫、汚ないなあ~」(拭けばオッケーじゃん?)
エトセトラ、エトセトラ…。

で、彼女も気に入った部屋がひとつあったのだけど、見事に予算オーバー。
そこから彼女と大家の30分にわたるバトルがスタート。
なんとか、管理費込み3000元を勝ち取ろうと、壮絶な罵りあい(としか思えない交渉)が繰り広げられたのである(ちなみに差額は150元くらい)。

とにかく、中国人っていうのは「アー!」っていうのを乱発する。
人のよさそうなハゲオヤジ(大家)でも、大学出たてのうら若き乙女(不動産小姐)だろうと例外はない。
英語で言えば「What」みたいなもんらしいが、日本人には喧嘩を売っているようにしか見えないから不思議だ。
だが、彼女が日本語に切り替えると、とたんにそういう様子がなくなるのだ。
おいらはそのとき思い知った。
日本語って、実はとても美しい言語だったのだ。

で、よくわからないが、いつの間にか交渉は決裂。
彼女は日本語で「ケチ!」を連発しながら、大股でアパートの外へ。
今度は携帯電話に当たるように怒鳴り散らしたかと思うと、急に笑顔で振り返る。
「このへんはろくなのないから、福田区にしましょ!」

急に羅湖区への興味を失なった彼女においらは唖然。
ここが一番と言ってたあなたはいったいどこへ?

こうしておいらは、まだ足を踏み入れたことすらない謎の福田区とやらに行くことになったのであった。
(続く…のか?)

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200710090410
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